連載 症候学メモ余滴・3
Hoehn-Yahr分類での気がかり(1)
平山 惠造
1
1千葉大学
pp.257
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900920
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現職の後半の何年かで体幹の筋強剛truncal rigidi—tyについての研究を教室の南雲清美君に手掛けてもらった。それというのはParkinson病あるいはPar—kinson症候群で四肢の筋強剛についてはいろいろなことが知られているのに,体幹についてはあまり論じられず,その症候学は明確にされていなかったからである。頸部については体軸の中でも古くから可成りよく知られており,例えば「頸に筋強剛のないParkin—son病はない」といわれるような格言というか言い回しはあった。しかしそれと四肢や体幹との関係は必ずしも明確でなかった。それには先ず臨床的に体幹の筋強剛をどのように診察するかが問題で,その手技はそれまでに確立されたものはなかった。
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