研究報告
病児に付き添う母親の「気がかり」からみた家族アセスメント
太田 にわ
1
,
草刈 淳子
2
1岡山大学医療技術短期大学部
2千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.321-330
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900408
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近年の核家族化,離婚の増加,女性の職場進出といった社会的情勢の変貌は,家族機能や家族成員の役割分担に少なからぬ影響をもたらしている。こうした環境の中で入院加療あるいは長期療養を要する病人が家族内に発生した場合,種々の問題が集約的に発現し,家族機能に大きな影響を及ぼすことがある。
著者らは,入院する病児に母親が付き添う場合に家に残された他の子どもへの精神的影響や家庭生活へのさまざまな影響が現れることを報告9-11)し,そして家族を全体としてみていく看護者の援助の重要性を指摘してきた。家族を全体としてみるためには,まず家族アセスメントを行なう際にどのような視点が必要であるかを明らかにする必要がある。この点についての研究には,小児看護婦の家族アセスメントの実態に関する武田ら17)の報告があるが,その他にはあまり見あたらない。
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