連載 症候学メモ余滴・4
Hoehn-Yahr分類での気がかり(2)
平山 惠造
1
1千葉大学
pp.377
発行日 1996年4月1日
Published Date 1996/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900937
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前号では体幹の筋強剛の診察法に紙面を割かざるを得なかったので,ここから本論に入ることになる。
第一の点は,この分類が日本ではHoehn-Yahrの重症度分類と呼ばれていることである。これが発表された頃はまだレボドパのような強力なParkinson病薬はなかったので,Parkinson病は経過とともに徐々に病状が進んでいく自然の推移がみられた頃である(Neurology 17:427-442,1967)。そこで,著者らはlevel of clinical disability(臨床的機能障害度)を物差しにすることにより,Parkinson病のstages(病期)を分類しようとした。このような病期分類を用いると,進行性の神経疾患では患者が今どのような病期にあるかを評定することができ,薬効評価などいろいろな面で有用である。Parkinson病が薬物によって顕著には改善しなかった時代にはdisabilityであれ,stageであれ,severity of illness(疾病重症度)とほとんどイコールであったので,これらを全て重症度という日本語で括っても大して問題はなかった。
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