Japanese
English
特集 脳腫瘍のgene therapy
脳腫瘍治療へのアポトーシスの利用
Therapy of Malignant Brain Tumors by Using Apoptosis
口野 嘉幸
1
Yoshiyuki Kuchino
1
1国立がんセンター研究所生物物理部
1Biophysics Division, National Cancer Center Research Institute
キーワード:
Myc
,
p53
,
Fas
,
glioma
Keyword:
Myc
,
p53
,
Fas
,
glioma
pp.829-834
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900835
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はじめに
遺伝子操作技術の進展に伴い悪性腫瘍の治療にも遺伝子治療の導入が検討されるようになってきた。ここでは脳腫瘍治療へのアポトーシス誘導因子・遺伝子の応用性について,最近のわれわれの研究成果を中心に,概説する。
アポトーシスは個体の発生や分化の過程において,生体や組織の形成,存続にとって不都合となる細胞を除去する,いわゆる自己消去のシステムである。アポトーシスはまた,傷害を受けたり,前がん状態にある細胞などを排除し,生体の恒常性を維持し,がんなどの疾病の発生を未然に防ぐ生体防御の役割も担っている。アポトーシス誘導の仕組みについては未だ不明な部分が多いが,最近の研究からアポトーシスは遺伝子レベルで制御されている細胞死で,種々のがん遺伝子,がん抑制遺伝子がその発現の制御に関与していることが明らかになってきた。
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