Japanese
English
総説
アポトーシスの分子機構と神経疾患
The Molecular Mechanism of Apoptosis and its Implication for Neurological Disorders
白石 哲也
1
,
田渕 和雄
1
Tetsuya SHIRAISHI
1
,
Kazuo TABUCHI
1
1佐賀医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Saga Medical School
キーワード:
Apoptosis
,
Brain tumor
,
Delayed neuronal death
,
Fas
,
Bcl−2
Keyword:
Apoptosis
,
Brain tumor
,
Delayed neuronal death
,
Fas
,
Bcl−2
pp.563-574
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901044
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I.はじめに
自然科学においては新しい概念の導入によってある領域の研究が一気に進展することがある.細胞生物学ではこれまで生命現象を主に細胞の生存および増殖の観点から探ってきた.つまりこれまで細胞死は無秩序な現象と思われ,重要な研究対象とはなり得なかった.ところがアポトーシス(apoptosis)という新しい概念による細胞死が遺伝子によって巧妙に制御されていることが明らかになるにつれて,この分野の研究が爆発的に進展し,発生,分化および老化のみならずウイルス感染,自己免疫疾患,変性疾患あるいは癌など多くの疾患にアポトーシスが関与していることが明らかにされてきた.
本稿では現時点におけるアポトーシスの概念とその分子機構の概略を紹介した後,神経疾患におけるアポトーシスの関与を著者らの研究結果を交えて概説する.
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