Japanese
English
特集 神経アミロイドーシス
家族性アミロイドポリニューロパチーの病態の多用性とその要因
Pathophysiological Variability and Its Cause of Familial Amyloid Polyneuropathy
池田 修一
1
Shu-ichi Ikeda
1
1信州大学医学部第三内科
1Department of Medicine (Neurology), Shinshu University School of Medicine
キーワード:
amyloid
,
amyloidosis
,
transthyretin
,
polyneuropathy
,
DNA
Keyword:
amyloid
,
amyloidosis
,
transthyretin
,
polyneuropathy
,
DNA
pp.433-441
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900631
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はじめに
家族性アミロイドポリニューロパチー(Familial Amyloid Polyneuropathy,以下FAPと略す)は多発神経炎と自律神経障害を主徴とする遺伝性全身性アミロイドーシスである。本疾患は長い間特定の地域に集積地をもって発生する極めて稀な病気であるとみなされていた。しかし近年遺伝子診断を代表とする診断技術の著しい進歩により,世界的には異なった民族から,また国内では全国各地からFAP家系が報告されるようになり,本症は今まで考えられていたほど珍しい疾患ではない。
FAPは全身性疾患であり,神経系とともに多くの内臓器官がアミロイド沈着により障害を受けるため,本疾患の病態ならびに臨床像は多彩である。本稿ではFAPの多様な臨床像について従来筆者らが行ってきた研究成果を中心に記載し,さらにこうした病態を解明するための最近の分子生物学的アプローチについても言及する。
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