Japanese
English
総説
家族性アミロイドポリニューロパチー発症の分子機構の解析
Study of the Molecular Bases of Familial Amyloidotic Polyneuropathy
前田 秀一郎
1
,
玉置 寿男
1,2
Shuichiro Maeda
1
,
Toshio Tamaoki
1,2
1山梨医科大学医学部生化学第一講座
2山梨医科大学医学部精神神経医学講座
1The First Department of Biochemistry, Yamanashi Medical University
2Department of Neuropsychiatry, Yamanashi Medical University
キーワード:
amyloidosis
,
transgenic mouse
,
gene targeting
,
familial amyloidotic polyneuropathy
,
transthyretin
,
serum amyloid P component
Keyword:
amyloidosis
,
transgenic mouse
,
gene targeting
,
familial amyloidotic polyneuropathy
,
transthyretin
,
serum amyloid P component
pp.14-24
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901541
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はじめに
家族性アミロイドポリニューロパチー(FamilialAmyloidotic Polyneuropathy;FAP)は,中枢神経の実質を除く全身臓器にアミロイド沈着をきたす常染色体性優性の遺伝性アミロイドーシスである。アミロイドーシスとは,βシート構造をとる特異な線維蛋白質であるアミロイドが全身の臓器,組織の細胞外に沈着し,それに伴って機能障害をきたす疾患群の総称である1)。アミロイド(類澱粉)という名称は,1854年にRu-dolph Virchowによって初めて用いられた。現在では,アミロイドの主成分は疾患によって異なる種々の線維蛋白質で,これに全てのアミロイドに共通の微量成分である血清アミロイドP成分(serum amyloid P com-ponent;SAP),アポリポ蛋白質Eや細胞外マトリックス成分であるグリコサミノグリカンなどが結合していることが知られている。アミロイド命名の基となったアミロイドが呈するヨード澱粉反応は,グリコサミノグリカンによる。ヒトでは,これまでに18種類の蛋白質が,それぞれ多様で特徴的な病態を背景にアミロイド線維を形成し,組織沈着を起こすことが明らかになった(表1)。
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