Japanese
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特集 神経アミロイドーシス
家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の遺伝子の多様性
Variant Transthyretin Genes Associated with Familial Amyloid Polyneuropathy
上野 聡
1
Satoshi Ueno
1
1奈良県立医科大学総合研究施設部組換えDNA実験施設
1Department of Medical Genetics, Nara Medical University
キーワード:
familial amyloidosis
,
polyneuropathy
,
transthyretin
,
autosomal domiant
Keyword:
familial amyloidosis
,
polyneuropathy
,
transthyretin
,
autosomal domiant
pp.415-423
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900629
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I.疾患の歴史
1952年,ポルトガルの医師Andradeは一漁村Povoa de Varzemに風土病として知られていたMaldos pesinhos(足の病気)を新しい疾患単位として報告したが,これが家族性アミロイドポリニューロパチー(Familial amyloid polyneuropathy:FAP)の世界で最初のものである1)。FAPはアミロイド物質が全身性に沈着して,成人期から下肢の感覚障害,性的機能低下,起立性低血圧,不整脈,胃腸症状が出現し多くが発症後10年以内に死亡する常染色体優性遺伝形式をとる疾患である。世界各地から報告されているが,ポルトガル,スウェーデン,日本に本症患者の大きな集積地が存在する2〜4)。地域により臨床表現型に差異がみられるが基本的には末梢性知覚障害を主徴とするほぼ均一な疾患である。
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