Japanese
English
特集 薬物による神経系障害
抗精神病薬と抗うつ薬
Neuroleptics and Antidepressants
小島 卓也
1
,
多田 幸司
1
Takuya Kojima
1
,
Koji Tada
1
1日本大学医学部精神神経科学教室
1Department of psychiatry, Nihon University School of Medicine
キーワード:
neuroleptics
,
antidepressants
,
neurological side effects
Keyword:
neuroleptics
,
antidepressants
,
neurological side effects
pp.1077-1082
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900415
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I.抗精神病薬の定義,薬理作用,副作用1,4)
抗精神病薬は神経遮断薬(Neuroleptic Drugs)あるいは強力精神安定薬(Major Tranquillizer)ともよばれ,1)抗幻覚・妄想作用,2)鎮静作用という主たる作用を有している。薬理作用として抗ドーパミン,抗ヒスタミン,抗コリン,抗ノルアドレナリン,抗セロトニン作用などを有しているが特に抗ドーパミン作用を共通してもっているのが特徴である。また,強力な鎮静作用を有しているが,バルビツレイト系睡眠剤などと比べて大量に使用しても重篤な意識障害や呼吸抑制を生じないという利点がある。従って覚醒状態を保ち,日常生活を維持しながら精神状態の安定を図ることができる。一方,副作用についても十分考慮しなければならない。急性期などには患者との間に十分に疎通性が得られない場合があり,副作用についての情報を患者側から得られないことがある。また,抗精神病薬は一般には長期間投与する場合が多いので副作用については,医療者側が十分注意する必要がある。
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