Japanese
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特集 オグメンテーション療法か,多剤併用療法か
抗うつ薬,非定型抗精神病薬の併用による感情障害の治療
Combination Therapy Using Antidepressants and Atypical Antipsychotics in the Treatment for Affective Disorders
小高 文聰
1
,
中山 和彦
1
Fumitoshi KODAKA
1
,
Kazuhiko NAKAYAMA
1
1東京慈恵会医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
Augmentation therapy
,
Combination therapy
,
Atypical antipsychotics
Keyword:
Augmentation therapy
,
Combination therapy
,
Atypical antipsychotics
pp.623-628
発行日 2006年6月15日
Published Date 2006/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100768
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はじめに
感情障害において,抗精神病薬と抗うつ薬の併用は主に大うつ病性障害の治療に使用される。大うつ病性障害は時に抑うつ・意欲低下に加え不安焦燥感,自殺念慮などが急速に出現し,致死的となることがある。また,抗うつ薬を十分量十分期間使用しても,抑うつ気分,意欲低下が遷延する例が少なからず存在する。このような場合,補助療法として他薬物の併用または増強療法が行われるが,最近非定型抗精神病薬と抗うつ薬の併用,増強療法がトピックである。双極性障害における非定型抗精神病薬と気分安定薬の単剤/併用/増強療法は知見の蓄積が進んでいるが,抗うつ薬との使用は報告の少ない状況が続いている。しかし,現時点で抗うつ薬と抗精神病薬の併用について検討することは臨床上非常に重要である。
本稿ではEvidence Based Medicine(EBM)に則して,より洗練された大うつ病性障害の薬物療法を実践するために,抗うつ薬と非定型抗精神病薬の併用療法および増強療法の現状と展望を解説し,最近の臨床的,生物学的知見を交え若干の考察を加えた。
なお,本稿で使用された論文データベースはThe Cochrane LibraryおよびMEDLINEである。MEDLINEへのgatewayとしてPubmed(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi)またはOvid社ソフトウェアを使用した。疾患名,研究手法はMeSH termを利用し,これにfree wordによる検索語を組み合わせた。結果が多いものは適宜limitを施した。
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