連載 症候学メモ・64
縮瞳における瞳孔径の意義
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.41
発行日 1991年1月1日
Published Date 1991/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900147
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◆健常人の瞳孔の大きさ(直径)は通常の室内の明るさで2〜5mmとされている。大方の場合これが妥当である。つまり2mmが正常範囲の下限ということになる。これより小さい場合が絶対的縮瞳であり,それのみで病的であるといわれる。そこまで小さくないとき,例えば2〜3mmのときは,これを相対的縮瞳といって,反対側の瞳孔と比べて小さければ病的であろうということになる。
◆ところでHorner症候群のときの縮瞳はどの位の大きさであろうか。絶対的縮瞳か相対的縮瞳か,教室の若い人達に質問しても意外にきちんと理解していない。Hor—ner症候群では瞳孔は縮小してもまず2mmを超えて小さくなることはない。すなわち相対的縮瞳である。つまり他眼の瞳孔と比べてきめられる程のものであり,実際の臨床でも,反対側と見比べて判断しているのが通例である(いうまでもなくいわゆる眼瞼下垂もみられるが)。
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