書評
—編集 菊池 晴彦(京都大学教授・脳神経外科) 執筆 菊池 晴彦(京都大学教授・脳神経外科) 白馬 明(大阪市立大学助教授・脳神経外科) 福島 孝徳(三井記念病院部長・脳神経外科) 馬場 元毅(東京労災病院部長・脳神経外科) 永田 泉(京都大学医学部脳神経外科) 〔イラスト〕馬場 元毅—脳神経マイクロサージャリー
高倉 公朋
pp.719
発行日 1988年8月1日
Published Date 1988/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206149
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- 文献概要
脳神経外科におけるmicrosur-geryの手技を学ぶためには,名医の手術をビデオで見るか,画の豊富なアトラスを眺めるなど視覚に訴える習得法が適切で効率がよい。本書は編集に当られた菊池晴彦京都大学教授をはじめ,共著者の方々は,いずれも今日脳神経外科手術における卓越した技術で知られている方々で,実際に臨床で遭遇することの多い疾患を主に集めて,それぞれの手術に必要なさまざまな注意点を解説してある。本書の特徴は,大きなスケッチ画で,わかり易く手術手技が示されており,解説文は簡潔で要を得ている点であろう。
編集者の菊池教授はYasargil教授の下でmicrosurgeryを学んだ,日本におけるこの方面での権威者である。Microsurgeryの基本として,修練の方法,手術成功の柱,基本的留意点などをまとめた総論は手術に対する基本的姿勢が簡潔ながら,切々と伝わってくるような,菊池教授の個性がにじみ出た面目躍如たる記述である。また菊池教授の動脈瘤諸手術に関する解説は,永年の経験にもとづく細かな注意点を指摘されており,教えられるところが多く,また心に留めておきたい警告が読みとれた。
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