Japanese
English
特集 Positron emission tomography, Magnetic resonance imagingの診断的意義について
神経内科領域におけるmagnetic resonance imagingの臨床応用:何がどこまでみえるか
Clinical Application of Magnetic Resonance Imaging in Neurology
宇高 不可思
1
,
亀山 正邦
1
Fukashi Udaka
1
,
Masakuni Kameyama
1
1住友病院神経内科
1Department of Neurology, Sumitomo Hospital
pp.423-437
発行日 1988年5月1日
Published Date 1988/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206100
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はじめに
新しい生体映像法である磁気共鳴映像法(magneticresonance imaging, MRI)の臨床応用が開始されてから数年が経過した。この間の撮像技術の進歩は目ざましく,また,機器の普及も1988年1月末現在,日本で200台近くを数えるに至っている。
MRIは,水素原子密度,縦および横緩和時間(T1,T2),および流れ,の4つのパラメーターによって画像を構成するため,X線CTに比べてより多くの情報を有し,コントラスト分解能がとくに優れている(表1)。また,骨によるアーチファクトがないこと,放射線被曝がないこと,体位を変えることなく多方向断面像が得られるなどの長所がある。一方,撮像時間が長いこと,磁性体や血流,呼吸運動,心拍や,ケミカルシフトなどによるアーチファクトが出現すること,生命維持装置を検査室内に持ち込めないことなどの問題点も存在する。しかし,一部の例外を除くほとんどの神経疾患の診断において,MRIがX線CTを凌駕することは間違いない。
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