Japanese
English
特集 Positron emission tomography, Magnetic resonance imagingの診断的意義について
Positron emission tomographyにより何がわかるか
Clinical Application of Positron Emission Tomography
一矢 有一
1
,
桑原 康雄
1
,
大塚 誠
1
,
三宅 義徳
1
,
増田 康治
1
Yuichi Ichiya
1
,
Yasuo Kuwabara
1
,
Makoto Otsuka
1
,
Yoshinori Miyake
1
,
Kouji Masuda
1
1九州大学医学部放射線科学教室
1Department of Radiology, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.413-421
発行日 1988年5月1日
Published Date 1988/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206098
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I.はじめに
陽電子はプラスの電荷を持った電子であり,陽電子崩壊核種は陽電子を放出する。陽電子ができると,それはそのままの形では存在できず,近くの陰電子と結合して,それ自身は消滅する。その代わりに,反対方向に2本の電磁波(消滅放射線)を出す。Positron emissiontomography (PET)は,このような陽電子崩壊核種を用いて断層シンチグラフィを行う方法である。PETは,従来のシンチグラフィあるいは他の画像診断法に比べると,より機能イメージであること,定量性に優れていることの2つの特長がある。機能イメージであるという特長は,投与する放射性医薬品がトレーサー量であるので,生体の本来の循環代謝を乱すことなく行えるというRI検査一般の特長に加えて,使用する核種が,11C,13N,15O2,18Fと生体中に存在する元素であることに由来する。また,後者の定量性に優れているという特長は,その検出原理が,2本の電磁波(消滅放射線)を同時計数回路により検出するため,吸収散乱の割合が深さによらず一定となるためである。
今回与えられたテーマは,「PETにより何がわかるか」であるが,以下,その検査法(表1)に沿ってその特長を記し,あわせて代表的な症例を供覧する。
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