書評
E—David B. Nash Editor—FUTURE PRACTICE ALTERNATIVES IN MEDICIN
松井 征男
1
1佐賀医科大学総合診療部
pp.284
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206077
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- 文献概要
本書は米国の医学生や若い医師が将来の進路を選択する際の重要な情報や指針を与えるべく編集されたものである。医療をとりまく社会情勢がとりわけ米国においては大きく変動しつつあり,それに対応して医師の業務形態や内容も多方面にわたってきている。表題の"Future Prac-tice Alternatives in Medicine"というのは将来のそのような医師の様様な仕事のことをさしている。こうした時代背景の中で,医学界や医療産業界の多数のエキスパートが西暦2000年の初め頃までの今後約15年間の米国の医療社会事情をみすえたものである。そして,現状とその動向を幅広い視野から豊富な資料も混じえて分析解説したものである。従って開業の医師や,特に卒前卒後の医学教育担当者もその対象読者として編集されているのは言うまでもない。また一方では,米国の医療事情をうかがう極めて貴重な資料でもある。
編者のD.B. Nashは内科臨床雑誌では世界的に最も権威のあるAnnals of Internal Medicineの編集長代理をつとめ,ペンシルバニァ大学のGeneral Internal Medicine部門で活躍している。また,経済学で世界的に高名なペンシルバニア大学ウォートン校にも学び教えているという若手医師である。このような経歴の持ち主が編集に当ったことも本書を極めてユニークで興味あるものにしている大きな理由であろう。
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