書評
—栗原 照幸(東邦大学教授・第4内科) 木下 和夫(宮崎医科大学教授・脳神経外科)—神経病 レジデントマニュアル
柴崎 浩
1
1佐賀医科大学
pp.22
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206035
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- 文献概要
神経病学の教科書は比較的多いが,実際の臨床の場ですぐに役立つものは意外に少ない。意識障害を代表とするような第一線の診療においてはとくにそうである。本書はそのような意味で,いわば臨床神経学のプライマリー・ケアの手引として推薦できる本である。
本書の最大の特徴は神経内科学の大家と脳外科学の大家が密接に協力して書かれたものであり,この種の本にしばしば起りがちな内科と外科の間のギャップが見事に埋められていることである。著者の栗原教授と木下教授はそれぞれ合衆国とカナダの一流の施設で実地に臨床経験を積まれ,わが国のそれぞれの分野で屈指の臨床学者として名高い。そのうえ両氏は過去数年間同一施設で診療と教育に携わってこられたため,非常に息の合った編集がユニークである。
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