書評
—編集 田崎 義昭(北里大学教授)・吉田 充男(自治医科大学教授)—NEW INTEGRATED MEDICAL LECTURES 神経病学 改訂第2版
広瀬 源二郎
1
1金沢医科大学神経内科
pp.52
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205441
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NIM Lecture Series神経病学・第2版が田崎義昭,吉田充男両教授の編集のもとに,丁度初版から5年を経て改版された。このSeriesは各疾患の病態生理を理解させることを主眼につくられたもので,特にこの神経病学では今までの教科書と異なり「神経系の解剖と機能およびその障害」の把握を重点にして,神経科学の基礎をまず知るように編集され,従来日本の神経学教科書が大成された高名な先生方によって執筆されたものであったのに対し,大家と新進気鋭の専門家がそれぞれの専門分野を分担執筆され,疾患の基礎的事項からどこが,どのように障害されているかを追求すべくまとめられていた画期的な教科書であった。
この初版は学生のみならず一般内科医,神経内科を志す医師に高い評価をもって愛読され,他の教科書にくらべ価格,サイズ,頁数とも手頃であることもあいまって好評を博してきた。このたびの改版は厳しい批判,選択を受けた教科書の証拠であり,ますます内容が洗練,充実してきた。初版で見られた腫瘍,外傷,先天性疾患が改版では脳腫瘍と脊髄の圧迫疾患となり,外傷が省略されたわけであるがこれにより神経学教科書としてはよりすっきりした形をとったようであり,外傷については詳細な記載のある脳神経外科教科書が数あることから問題はないと考えられる。
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