Japanese
English
特集 神経疾患と免疫 Ⅰ
中枢神経系のウイルス感染症と免疫異常—SSPEについて
Virus infection in the central nervous system:immunological abnormalities in SSPE
佐藤 猛
1
,
安野 みどり
1
,
竹田 和正
2
,
内山 恒夫
3
,
富樫 武弘
4
Takeshi Sato
1
,
Midori Anno
1
,
Kazumasa Takeda
2
,
Tsuneo Uchiyama
3
,
Takehiro Togashi
4
1順天堂大学医学部脳神経内科
2京都大学ウイルス研究所
3徳島大学医学部ウイルス学
4北海道大学医学部小児科
1Department of Neurology, Juntendo University, School of Medicine
2Institute for Virus Research, Kyoto University
3Department of Virology, School of Medicine, University of Tokushima
4Department of Pediatrics, Hokkaido University, School of Medicine
pp.443-449
発行日 1983年5月1日
Published Date 1983/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205118
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
中枢神経系におけるウイルス感染症は発症様式から次のように分類されている。急性,遅発性ウイルス脳炎および感染後性脳炎である。遅発性ウイルス感染症は広義には通常型ウイルスによるもの,すなわち麻疹ウイルスによる亜急性硬化性全脳炎(SSPE)とパポバウイルスによる進行性多巣性脳症(PML)などを含む。狭義には通常のウイルス粒子とは物理化学的性状が全く異なる非通常型伝播因子によるkuru,Creutzfeldt-Jakob病などが属する。
ウイルス感染症の場合,液性および細胞性免疫が関与する。ウイルスに対する抗体が産生され,抗体と結合したウイルス粒子は感染力を失う。補体存在下で,抗体はウィルス感染細胞の表面に沈着し,マクロファージやK細胞の細胞障害作用を受ける。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.