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特集 閉塞性脳血管障害
閉塞性脳疾患の内科的治療の問題点
Medical treatment of ischemic cerebral diseases:What is the target?
亀山 正邦
1
Masakuni Kameyama
1
1京都大学神経内科
1Department of Nurology, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.51-60
発行日 1983年1月1日
Published Date 1983/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205056
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はじめに
閉塞性(虚血性)脳疾患—ここでは脳梗塞と総称する—の治療については,おびただしい記載があり,ここに新しく指摘しうるものはほとんどない。それにもかかわらず,脳梗塞の治療に関する論述が多くの著者によつて繰返されているのは,1つには,原因療法がないためであり,また,対症療法が多種多様なためでもある。CTの開発によつて,脳梗塞の診断は容易かつ正確となつてきた。したがつて現在は,診断のみでなく,病態,病因についても検索し,診断とともに予防にも力をつくす必要がある。病態についても,たんに浮腫の有無や病巣の拡がりのみでなく,化学的なメカニズムやそれへの対応が要求されるようになつてきている。Positronemission tomographyやnuclear magnetic resonance(核磁気共鳴)などが普及すれば,さらに,chemicalmechanismの時間的推移なども明らかにされ,治療の面にも大きな進歩がみられるかもしれない。
この論文では,脳梗塞に対する現行の治療法を詳説することではなく,脳梗塞の成因や病態についての幾つかの問題点を指摘し,その治療や予防の可能性について述べることを目的とした。
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