Japanese
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特集 脳のシンポジウム
主題 脳循環
脳卒中の成因的事項—血管病変および副血行路を中心として
Causative Factors of Stroke: With Special Reiference to Vascular Pathology and Collateral Circulation of the Brain
亀山 正邦
1
Masakuni Kameyama
1
1浴風会病院
1Yokufukai Hospital, Tokyo
pp.550-553
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904347
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I.はじめに
脳卒中発作が,血管の破綻あるいは閉塞性病変を主因とすることはいうまでもない。しかし,そのような破綻あるいは閉塞性病変の原因については,こんにちなお諸説があって,究極的な解答は与えられていない。本稿の目的は,脳に血管性障害を起こしうるごとき生体側の条件(それが,先天的のものであれ,またある種の疾患の結果生じたものであれ)を,指摘し解明することにある。この論文は,つぎの3つの点から成り立つている。
(1)脳出血の成因に関与する血管病変としては,脳内小動脈の壊死性病変(松岡)1),あるいは,動脈のFibrinoid変性が重視されている。そして,その動脈病変の成因には高血圧の関与が重視されている。しかし,老年者にみられる脳出血を,この問題だけで解決しうるか否か。
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