Japanese
English
特集 閉塞性脳血管障害
閉塞性脳血管障害の病理
Pathology of occlusive cerebrovascular disease.
田中 健蔵
1
,
山下 正憲
1
Kenzo Tanaka
1
,
Masanori Yamashita
1
1九州大学医学部病理
1Department of Pathology, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.7-16
発行日 1983年1月1日
Published Date 1983/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205051
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はじめに
脳実質の虚血性病変の原因には頸部および頭蓋内動脈の閉塞性ないし狭窄性病変や,心,大動脈,頸部動脈に由来する塞栓によるものがほとんどを占めるが.その他にも様々な病態があげられる。Table 1に原因として考えられる病変,病態を示す。これらの中で最も頻度が高く,医学的にも社会的にも重要なのは,頭頸部動脈系の粥状硬化症であり,それに伴う血栓形成,血栓性塞栓である.
本稿ではまず,粥状硬化と脳血栓,脳塞栓について臨床病理学的立場で総説し,次に,頻度は少ないが小児若年者,若年成人の脳血管障害において考慮に入れなければならない病変,すなわち,血管炎,モヤモヤ病,解離性脳動脈瘤,線維筋性形成異常症などについて,われわれの成績を含め総説する。
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