今月の主題 内科医に必要な脳神経外科の知識
脳血管障害
手術適応—閉塞性脳血管障害
小野 博久
1
Hirohisa ONO
1
1長崎大学医学部・脳神経外科
pp.2234-2236
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216947
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はじめに
閉塞性脳血管障害とは,内頸動脈や中大脳動脈などの比較的大口径の動脈の高度狭窄や完全閉塞が原因となって起こる脳の虚血性病変である.手術的治療法1)としては,浅側頭動脈-中大脳動脈分枝間吻合術(superficial temporal artery to middlecerebral artery branch anastomosis, STA-MCA,または頭蓋外-内血管バイパス術,extracranialto intracranial arterial bypass operation),栓塞除去術,血栓除去術,血栓内膜除去術,肥厚内膜切除術などがある.これらは,いずれも血管の閉塞性病変(閉塞,狭窄,潰瘍など)を除去する手術である.このほかに,著しい脳圧亢進に対して対症処置として行う内減圧術と外減圧術がある.前者では,腫脹している脳組織やサイレント領域の脳組織を除去し,後者では,頭蓋骨の一部を除去する.
これら各手術の手術適応を決める場合には,血管造影とCTスキャンによる血管病変と脳組織病態の正確な診断が必要で,この両検査の所見なしには手術適応の検討はできない.
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