Japanese
English
特集 過酸化物
虚血と過酸化反応—治療面への示唆にふれて
Perfusion and hyperoxygenation, including asuggestion to the treatment.
小暮 久也
1,2
,
吉田 伸一
1,3
Kyuya Kogure
1,2
,
Shin-ichi Yoshida
1,3
1マイアミ大学医学部神経内科,脳血管障害研究施設
2東北大学医学部神経内科
3東京大学医学部脳神経外科
1Department of Neurology, School of Medicine, University of Miami
pp.47-57
発行日 1981年1月1日
Published Date 1981/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204699
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まえがき
—人間が棲まなければ地球はもつと美しかつたはずだと言われている。このようにつぶやくものは太古にも居た—
光合成を営む生物が出現する以前の地球の大気には酸素がなく17),誕生したばかりの生命の担い手たちは効率のよいエネルギー獲得の手段を求めて進化の方向を探していた。やがて,光合成によつて太陽のエネルギーを捕捉することができるようになつて一応当初の目的は達せられたけれども,分子状の酸素は太陽の光線により,雷電により,そして生物の体内に取り込まれた少量の金属に触れて活性化されると,有機化合物を焼き亡ぼしてしまうほどの危険物に変わる。したがつて,光合成生物から大気中に放出され,海にも体にも溶ける酸素への適応を強いられながら,その後の生物達は進化の道を歩むことになつたのである(注1)。
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