今月の主題 臨床栄養学—最近の進歩
トピックス
過酸化脂質と栄養
山崎 晴一朗
1
,
上田 正人
1
Seiichiro YAMAZAKI
1
,
Masato AGETA
1
1久留米大学医学部・病態検査学教室
pp.590-591
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217108
- 有料閲覧
- 文献概要
脳をはじめとする臓器組織の細胞内に加齢とともに増加するリポフスチンやセロイド色素は,過酸化脂質と蛋白との複合体であり,過酸化脂質がリポ蛋白とともに動脈硬化病変に何らかの関連性があるのではないかと注目されている.過酸化脂質は油脂の毒性の本体であるといわれており,過酸化脂質が生体内に存在すれば,臓器毒となり広範な病因となる可能性がある.生体内で過酸化脂質はどのような代謝経路をもち,それが栄養素といかなる関係にあるのかは,われわれ臨床医にとっては過酸化脂質と疾病との因果関係を知る上で非常に興味ある問題である.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.