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特集 重症筋無力症—臨床と病因
神経筋接合部の電気生理・超微形態・免疫学的側面—重症筋無力症の病因・病態
Pathogenesis and pathophysiology of myastheniagravis : Electrophysiological,ultrastructural and immunological aspects of neuromuscular junctions.
高守 正治
1
,
辻畑 光宏
1
,
井手 芳彦
1
,
江口 勝美
1
,
峰 雅宣
1
Masaharu Takamori
1
,
Mitsuhiro Tsujihata
1
,
Yoshihiko Ide
1
,
Katsumi Eguchi
1
,
Masanobu Mine
1
1長崎大学第1内科
1The 1st Department of Internal Medicine, Nagasaki University, School of Medicine
pp.891-908
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204638
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I.はじめに
重症筋無力症の臨床像は1672年Willis1)によつて明らかにされ,これが神経筋接合部の疾患であることは40年以上にわたつて知られていたことであるが2),原因が骨格筋アセチルコリン受容体にあるとされたのはここ数年のことである3,4)。発症に至る免疫学的機序もようやく解明されつつあり,なお,不明な点も少なくないものの,この受容体蛋白を大量にもつ魚類電気器官およびこれと特異的に結合する蛇毒の発見5)は,本病研究に大きな発展と展望をもたらしてきた。以下,重症筋無力症の病因・病態を,生理,薬理,形態,免疫学の各面から検討し,本病が免疫学的機序を根底にもつ一つの受容体疾患であるとするに至つた諸研究の歴史を順を追つて述べていくこととする。
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