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あとがき
有馬 正高
1
1神経センター
pp.647
発行日 1980年6月1日
Published Date 1980/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204606
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- 文献概要
神経・筋疾患の医療の進歩のなかで,専門細分化の果した役割りは大きいが,一面,画期的な発展が他領域の進歩に伴った事例も多い。生化学,細胞遺伝,CTなどはその例である。神経・筋疾患の研究や医療に全身臓器の分析が重要であるてとは各種の先天代謝異常症の酵素欠損の証明などに端的に示されていて,診断や本態の研究に主要病変部でない線維芽細胞などを用いることは一般化している。
臨床的な病像の解析や対策に神経・筋以外の器官の状態を無視してならないことは当然であつて,内分泌,心,腎などの疾患や悪性腫瘍,免疫異常,栄養障害などと関連の深い神経・筋の異常について多くの事例が示されている。今月号の原著のなかにも,このような事情を反映した論文がかなり見られる。したがつて,よい神経・筋疾患の専門家たるためには,これらの全身的な面についても絶えず念頭におく必要があろう。
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