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あとがき
有馬 正高
pp.347
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204223
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- 文献概要
本誌が世に出てから30巻を数えることになつた。創刊当時の紙質はお粗末で,薄く,現代の感覚からいえばまことに重みのない雑誌であつた。しかし,戦後の困難な時代にあつて,当時の研究者が本誌に記述された内容には含蓄のあるものが多かつたように感じられる。神経学の基礎と臨床にまたがる幾多の論文を掲載しつづけてきた点において,わが国の神経学の普及と向上に特定の役割りを果してきたといえよう。
本誌は,以前から基礎臨床にまたがるアトラス,綜説などの企画がなされてきたが,その時代時代の考え方や新しい知見の集積を伝える役割りを果すことを意図してきたと思われる。本号にみられる佐野教授らの脳の形態学アトラスは,同様の企面が以前にも行なわれたが,伝達物質の知見の発展と並行した近年の進歩を改めて示していただくことになろう。
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