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あとがき
有馬 正高
1
1神経センター
pp.955
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204475
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- 文献概要
疾患の種類は年毎に多くなり,新しい症候も年々つけくわえられていく。基礎と臨床の橋わたしになる論文もあり,深い臨床的洞察によつて漠然としていた経験を一つの概念にまとめ上げる論文もある。症候の意味づけを取り上げ,特定の障害に続発する症候の特徴を指摘するものもある。
毎月の神経学関係の雑誌に掲載される内訳には次々に新しいテーマがとり上げられるが,時の試練を経て消え去るもの,一般常識の中にとり入れられて理れるもの,先駆的な仕事として次の流行をつくるものなどいろいろである。流行を追うのは易いが,流行を作るのは至難であるといわれる。医療という面から考えると,最善の方法を適用する必要があり,流行を追うようなことも一概に否定してはならない。しかし,流行がいつとはなしに終つてはならずそこに真摯な批判があつて追試の意味があろう。消えるべき流有は早く消えた方がよいし,取り上げられるべき内容のものであれば早く一般化して欲しいのである。
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