あとがき

　はやいもので11月号をお送りする。そろそろ学会シーズンも終り，諸兄には一息ついておられる頃と拝察する。本号では綜説として旭川医大の森教授に"歩行のメカニズム"について御執筆をお願いしたが，この方面の研究の最近の動向を知ることができる。御努力に感謝するとともに，氏の御研究の益々の発展を祈りたい。

　最近の投稿の中に，引用文献が極端に少ないのが少しく目立つ。とはいえやたらに数が多ければよいというものでもない。よくよく勉強の上必要最小限にしぼったのなら，それはそれなりに評価もできようが，必ず引用すべきものをもらしているとしたら，やはり不勉強のそしりは免れ得ないのではあるまいか。論文の質は引用文献にどんなものを列ねているかでうかがい知ることができるといつても過言ではない。どんな問題を扱つても，必ず読まねばならない言わば関門のような書物や論文が必ずあるものである。