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あとがき
萬年 甫
pp.208
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202184
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本号がくみ上つて間もない1月14日夜東大解剖学教室の細川宏教授が44歳という若さで世を去られた。小川鼎三教授の後任としてその職にあること5年,ようやく研究態勢も軌道にのつた矢先のこととて,御本人はもとより平素御交際をねがつたわれわれとしても痛恨のいたりである。
氏は近年脳の比較解剖に情熱をそそがれていたが,その研究対象を選ぶ場合,十二支にちなんで,ひつじ年にはひつじの脳,巳年にはへびの脳という具合で,それにしても寅や辰のときはどうするのだろうと周囲が気をもんだりしていたが,御本人は実に楽しそうであつた。その結果がまとまりはじめたら一度本誌にも御寄稿を願おうと考えていたが,それも今ははかない夢となつた。
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