Japanese
English
特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
固縮の神経生理学的解析
Neurophysiological Analysis of Rigidity
藤森 聞一
1
,
山内 俊雄
1
Bunichi Fujimori
1
,
Toshio Yamauchi
1
1北海道大学医学部第二生理学教室
12nd Dept. of Physiology, School of Med., Hokkaido Univ.
pp.926-931
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904558
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
固縮rigidityとか痙縮spasticityという呼び方は,臨床的に古くからいい慣されてきたものであるが,これらの症状として重要視されている伸展反射stretch reflexや腱反射の亢進,筋トーヌスの増加などの現われる機序もまだ十分明確にされておらず,したがつてそれらの発現機序に基づく合理的版定義も確立されていない。しかし,いずれにしても固縮と痙縮の発現機序は単一ではなく,脳から脊髄にわたる種々の部位におけるいろいろな原因によつておこることは確かである。
ただ,これらの症状のいずれにおいても,最終共通路final common pathとしての脊髄前柱細胞(α運動細胞)群の興奮性が高まつているものとみなされるので,ここではまず脊髄前柱細胞の興奮性ないしは興奮準位が高まる機序について神経生理学的に検討を加え,その考えられる可能性を列挙し,それらをもとにして今度の主題であるParkinsonismの際における固縮症状の発現機序に考察をくわえてみたいと思う。したがつて以下,固縮と痙縮の定義にとらわれず,これらを一括してとりあげていくことにする。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.