書評
—H. H. Merritt 著・椿 忠雄 監訳—メリット神経病学
里吉 営二郎
1
1東邦大学
pp.1341
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203990
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メリットの神経病学第5版(1973年)の日本語版が新潟大学の椿教授及び教室員の方々の努力で今回出版されることになった。神経学を勉強する人にとってColumbia大学名誉教授のHouston Merritt神経病学教科書は大変なじみ深い本の1つであろう。現在神経学の成書は選択に困る程たくさん出版されているが,私が神経学を学び始めた1950年代には神経学の成書としてはBrainの神経学とFordの本とこのMerrittの神経学書しか知られておらず,それぞれ特色があって参考になったものである。特にMerrittの教科書は総論のないことと多数の疾患について疾患の分布,百分率など統計的な処理のしてある表の多いことが特徴であった。
今回訳された第5版は1973年に全面的に改訂されたもので,古い写真も一部残されてはいるが,文献を含め全く新しいものになったといえる。これはMerritt以外にGlaser,Poser,Toole,Rowlandら新たに6人の著者が加わって最新の進歩迄をまとめたことに基いている。
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