Japanese
English
カラーアトラス
中枢神経系の初期発生(II)—神経発生の第II期
Early development of the central nervous system.:II.Stage II of cytogenesis
服部 隆則
1
,
藤田 哲也
1
Takanori Hattori
1
,
Setsuya Fujita
1
1京都府立医科大学病理学教室
1Department of Pathology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.122-127
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203837
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
神経発生の第II期
1.ニューロブラストの出現
外胚葉から神経上皮が誘導され神経管が形成されても,神経管壁を構成するのはmatrix cellのみであり,この細胞が旺盛に分裂をくりかえすことによつて神経管が次第に生長していくことは前に述べた。この頃の神経管壁の割面をSEMでみてみると,神経管壁は偽重層単層円柱上皮からできているのがよくわかる(第1図)。やがて中枢神経系の各部位の神経管壁がそれぞれ一定の厚さと大きさになるとニューロブラストの産生される第II期1〜4)が到来する。
matrix cellからいつ,どのようにしてニューロブラストが作り出されるかを調べる分析的研究は,3H-thy—mldineによるオートラジオグラフィーが導入されてから飛躍的な進歩をとげた。この分析は,matrix cellが一旦ニューロンに分化すればDNA合成能が完全にかつ不可逆的に抑制されてしまつているというマーカーを利川することによつて行われる2,4)。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.