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はじめに
ヒトの中枢神経系の各部を組織標本にして,そのニューロンの配列を光学顕微鏡で調べると,それらの構築が二つの特徴あるパタンのいずれかに分類されるようなものであることが誰の目にも明らかになる。その一つはニューロン集団が,厚さのほぼ揃った層をなして脳表近くに並んでいるもので,いわゆる皮質構造である。ヒトでは大脳皮質と小脳皮質が高度に発達していて有名であるが上丘も皮質構造を持っている。トリや爬虫類や両棲類では上丘に相当する視蓋が高度に発達した皮質構造を示す。これら以外の所では,ニューロン群は複雑な配置をとり,それらの構造を区画して既知の神経核として同定するのに一般の人は困惑するような分布をとっている。このような配列をここでは簡単に非皮質構造と称することにしよう。つまり,中枢神経系のニューロン集団の細胞構築は,皮質構造と非皮質構造に分けられる,というわけである。
この二つのパタンの存在はすでに18世紀から知られており現在ではあまりにも自明なことのように考えられているので,ここでその区別をわざわざ取り上げるのには奇異な感じを抱かれるかもしれない。しかし,これには理由がある。
Abstract
Based upon the cytoarchitectonics, histology of the vertebrate central nervous system is divided into two basic patterns: the cortical and the non-cortical structure. In the former, neurons take beautiful laminar arrangement adjacent to the external surface of the brain. Tritiated thymidine autoradiographic studies disclosed that, in the cerebral cortex, the neurons produced during the early stages of embryonic life occupy the deep layer, while those formed during the later stages of development the more superficial layer ("inside-out" pattern).
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