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I.はじめに
現在,中枢神経系で何を神経伝達物質とみなすかはまちまちの状態で,アセチルコリンとγ・アミノ酪酸(GABA)しかわかつていないとする立場もあり,10種以上の物質を伝達物質としてあげている者もある。神経伝達物質はシナプス前の軸索末端から放出されてシナプス後ニューロンに作用することによりシナプス伝達を仲介するものであるから,ある物質が伝達物質であることを証明するにはその物質および代謝系がシナプス部に局在し,シナプス伝達の際に細胞間隙に放出され,さらに人工的に投与してシナプス伝達が再現されることを示さなければならない。これを全項にわたつて厳密に証明することは困難であり,冒頭の状況は数年前と同じようにみえるが,最近伝達物質に関する知識が各分野から急速に集積され,内容的には一新されているといってよい。ここでは単一ニューロンに対する作用の面を中心として伝達物質またはその候補物質の評価を試みる。ある物質が伝達物質と同一の作用を示す,すなわちニューロンがその物質に対するレセプターを持つ(-ceptive,感受性)ことはそれが伝達物質であること(-ergic,作動性)の最も重要な証拠となる。
A survey was made of actions of the putative neurotransmitters (γ-aminobutyric acid, glycine, glutamic acid, other inhibitory and excitatory amino acids, acetylcholine, monoamines, cyclic nucleotides, ATP and substance P) which were administered onto single neurons throughout the mammalian CNS using microelectrophoretic technique. The validity for transmitter function was discussed on the ground of mode of action and of other neuro-chemical evidence.
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