Japanese
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特集 伝達物質と受容物質
総説
伝達物質の神経細胞膜に対する作用
The mode of actions of transmitter to neurone membrane
纐纈 教三
1
Kyōzō Koketsu
1
1久留米大学医学部第二生理学教室
pp.277-285
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903004
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はじめに
アメリカの研究室を引き払つて久留米大学医学部の第二生理学教室に帰つてきてすでに5年経過した。この間,実験室を少しずつ整備し,電気生理の実験に必要な最少限の設備を整えてきたが,この1, 2年,研究もやつと軌道に乗つてきたという感じがする。研究が軌道に乗つてきて,研究上でのいろいろな考えを実際に実験で検討していくことができるようになるのはその真実性の問題は別にして楽しいものである。ここでは,伝達物質の作用機序についてのこのような二,三の私達の考えについて述べ,読者の御批判を得たいと思う。
私達はウシガエル(Rana catesbeiana)の腰部交感神経節を小さな脳(little brain)とよんで愛用している。この標本内での非常に複雑なシナプス伝達の機構は,中枢神経系内での情報伝達機構の一つのモデルとして考えることができるようである。
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