症候群・徴候・13
Kocher-Debré—Semelaigne (コッヘル・ドブレ・セムレーニュ)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.446
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203535
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単にDebré—Semelaigne症候群と称する方が普通である。1925年DebréとSemelaigne (仏)が全身的な筋肥大を伴なつた先天性の粘液水腫の第1例を観察し,1934年にその詳細な観察と治療を報告するに及んで,この症候群が確立した(1935年の英文での発表により,さらにその知見は普及した)。先にKocher(1892)が同様な症例観察をしているところから,その名が前に冠されることがある。
この症候群は先天性粘液水腫の子供において,早ければ生後数ケ月から2〜3歳に気づかれ,筋は肥大し,筋のレリーフが明瞭となり,闘技者にたとえられ,子供ヘラクレスなどと呼ばれる。筋肥大は全身一様のこともあり,またある筋群に目立つこともある(たとえば,腓腹筋,大腿四頭筋,躯幹筋,肩部筋)。筋の硬さは普通のこともあるが,概して硬い。また,ミオトニー現象のみられるものがある。筋力は子供のためわかりにくいが,概して筋の発達に伴なわないといわれている。
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