手術手技
膵頭十二指腸切除術における逆Kocher授動を先行したmodified intestinal derotation法によるartery-first approach
渡邉 元己
1
,
佐藤 彰一
1
,
長尾 厚樹
1
,
野家 環
1
1NTT東日本関東病院外科
キーワード:
膵頭十二指腸切除
,
intestinal derotation
,
artery-first approach
Keyword:
膵頭十二指腸切除
,
intestinal derotation
,
artery-first approach
pp.1527-1534
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003512
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膵頭部癌に対する膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy;PD)において,上腸間膜動脈(superior mesenteric artery;SMA)に対するartery-first approachは,手術早期の切除可能性の判断,切除断端の確保,出血量軽減および手術時間短縮に有用であるとされる1, 2)。しかし,SMA背側の剝離は視野が取りづらく,SMAを挟んで左右の剝離層をつなげることは難度が高い。空腸から右側結腸を授動するintestinal derotation法3, 4)は,SMA周囲の構造を平面化することで脈管解剖が単純になり,膵頭部,十二指腸,近位空腸とSMAとの間の間膜,すなわちmesopancreasの離断を容易にする手技であるが,右側結腸まで授動することは時間を要し,とくに腹腔内に癒着を伴う場合,他臓器損傷を起こす可能性もある。
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