書評
—山本 卓二・他 著—EEGアーチファクト・アトラス
山岡 淳
1
1日大理学部心理学科
pp.464
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203537
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この書は,脳波の記録にたずさわる技術者だけでなく,脳波の判読をするものも必ず心得ていなければならないアーチファクト(人工産物,雑音)の問題だけをとりあげ,それを具体的な例によつてわかりやすく解説したものである。
いまや脳波は基礎的研究や特殊な臨床検査の域を脱して,臨床面では日常検査として広く利用されるようになり,記録や判読の担当者が急増してきた。他方,脳波計自体は電子工学の発展にともない簡略化され,だれでも操作できる脳波専用装置が普及している。その結果,脳波についての知織をほとんど有しないものでも記録用紙のうえに波のような軌跡を記させることができるようになつた。しかし,この事実は,脳波検査を良心的に考えるときには,十分警戒しなければならない点である。
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