書評
—池見 酉次郎 編著—精神身体医学の理論と実際—各論Ⅱ=総合医学的治療の実際
諏訪 望
1
1北大
pp.260
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203508
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わが国の心身医学も,この10数年間で大きな進展をとげた。それを支えている力のひとつとして,池見酉次郎教授編著「精神身体医学の理論と実際」があげられる。1962年に総論が,1964年に各論1が出版されてからかなりの年月を経たが,もともとこのような仕事には息の長さが要求される。とにかく今回の各論IIによつて一応完結されるに至つたわけである。
本書は,「総合医学的治療の実際」という副題がつけられていることからもわかるように,総合医学的アプローチについて艮体的に説いたものである。全巻を通じて,心身医学の基本的な考え方を理解させ,また治療の面ですぐに役立つようにというこまかい配慮がなされていることが,一読してすぐに感じとられる。ことに巻末に掲げられた欧文文献には,ひとつひとつその内容について簡単な解説をつけるというような心憎いまでなされている。
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