特集 公衆衛生の構造改革
健康ニーズのPerception Gap
桜山 豊夫
1
1東京都健康局
pp.16-18
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100333
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某テレビ局のプロデューサーによる,視聴率調査機関のモニター家庭への不当な働きかけが問題になりましたが,本来高い視聴率を得るためには,視聴者のニーズに答えた番組を制作しなければならないはずで,結果として高視聴率が維持できる番組はカスタマーズサティスファクション(顧客満足度)が高いと言えるでしょう.番組制作サイドが視聴者のニーズを測る参考として視聴率を利用するのがもともとの趣旨でしょうが,今回の事件はそれが行き過ぎてしまったと思われます.
筆者は行政機関に身をおいていますが,公衆衛生の分野における各種の業務が果たして顧客(住民)の満足を得ているかについて,視聴率のような客観的指標によって判断したような経験はありません.私たちはよく「住民のニーズに沿って」というような表現を使います.しかし住民のニーズがどのようなものかについて,確固たる情報があることは稀です.また多様な住民のニーズを一元的に表わせるかどうかについても,はなはだ疑問があります.
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