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あとがき
佐野 圭司
pp.851
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203342
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欧米の医学雑誌をみても,あるいは学会に出席しても,日本人の名前や顔を見出すことが多い。米国のようにベトナム戦争のため研究費の大幅削減のあつたところでも,すべての学会発表や,雑誌の論文の10〜20パーセントに日本人の名前を見つけることができるであろう。
これはもちろんはなはだ慶賀すべきことである。しかもこれら日本人研究者の評判ははなはだよろしい。さらに日本以外の国の人たちだとそこのボスに気に入られれば,ついにすみついて,そこの住民になつてしまうことが多い。ところがほとんどの日本人は長くはいつかず,ついには帰国してしまう。ということはかれらのライバルにならないということであるから,欧米人にとつて日本人はまことに重宝な存在ということになる。よくはたらいてくれて,しかも自分の競争あいてにならないのであるから良いことずくめである。
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