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あとがき
佐野 圭司
1
1東大
pp.983
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204649
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重症筋無力症の特集が本号を飾つている。古くはThomas Willis (1672),Wilks (1877),Erb(1879),Oppenheim (1887)らの記載にはじまつた本症の研究が最近どのような発展をとげたかが,この特集に如実に示されていると思う。
重症筋無力症が神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己免疫性疾患であることが一連の研究により明らかになりつつある事実は,一見きわめて基礎医学的と思われる研究が臨床医学の発達にいかに貢献するかの好例といえよう。さらに発症のtriggerとしての胸腺やT-cellの関与の探究は今後なお明確にされるべき余地があるとはいえ,本症の本態の解明に大きな前進をもたらしたといつてよいであろう。
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