書評
—J. S. Meyer, J. Pschadé 編集—Progress in Brain Research Vol. 35. 1972—Cerebral Blood flow Relationship of CBF and Metabolism to Neurological Symptom
坪川 孝志
1
1日大脳神経外科
pp.1679-1680
発行日 1972年12月1日
Published Date 1972/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203247
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脳循環についての最近の知見は目覚ましい発展を示して,特にXe, Kr-Clearance法の臨床応用の一般化により,多くの新しい問題が提起され,また新しい事実も明らかにされつつある。この機にProgress inBrain Researchの35巻として,脳循環を脳血流量と脳代謝の関連を神経学的症候別に検討するという立場で書かれた本書の意義は大きい。Progress in Brain Researchの30巻もLugendijkにより編集された「脳循環」であるが,数年を経ずして再び「脳循環」が本シリーズにとりあげられたことは,この問題に関する検索の進歩の状況を示すもので脳循環の研究者のみならず,臨床家にとつても待望の書であるといわねばならない。
本書の編集者には,脳循環の実験的研究で多くの優れた日本研究者と協同研究を重ねて来たJ. S. Meyerと,臨床上での脳循環の意義と病態について検索を重ねられてきたShalitがあたり,内容は各種測定法についての検討,脳循環と代謝の関連,臨床応用についての成果の三つにわけられている。
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