書評
—Arthur L. Benton 著—Behavioral Change in Cerebrovascular Disease
斎藤 勇
1
1東京大学脳神経外科
pp.1445
発行日 1971年11月1日
Published Date 1971/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203020
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この書物は,1968年,Massa—chusettsで開かれた表題の問題に関するシンポジュウムを集録したものである。脳血管障害によるbeha—vioral change,すなわち,痴呆,認識・感情,人格の障害,および,言語障害などの問題について,この分野における研究の現状を明らかにすることを目的としたものである。
内容は7章からなっている。第1章は,行動異常を生ずる脳の病理学的変化の具体例として,akineticmutismの問題をとり上げ,これは,mesencephalic arteryのbranchの血行障害によるものであることを論じている。第2章は,aphasiaについて,脳血管の障害部位による分類を試みている。第3章は,社会復帰上最も問題となるaphasiaのreha—bilitationの方法とその有効性の問題について論じ,第4章は,感覚・運動障害のrehabilitationについて,その問題を示摘している。第5章は,neuropsychologyの面から,脳疾患の局在と性質を検査するテスト法について,第6章は,感情・人格の障害とその治療法について説明し,第7章でeditorが全体を総括している。
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