整形外科を育てた人達 第129回
Arthur Bruce Gill(1876-1965)
天児 民和
1
1九州大学
pp.1018-1019
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901446
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アメリカ整形外科学への貢献
Arthur Brace Gillの名は我々にはあまり知られていないが,1900年代の初め,アメリカに整形外科の研究団体や学会が次々に出来てきた時に,整形外科を新しい医学の専門分科として独立させる為に貢献した人である.
1938年にはThe American Academy of Orthopaedic Surgeonsが組織され,さらに1944年にはThe American Orthopaedic Associationが成立した.アメリカに整形外科が専門分科として認められた当時,整形外科には既にGillの他に著名な5人**の学者がいた.その中の1人Ryerson EWは,膝関節の安定性はlateral ligamentsによって維持できていることを1937年に発表していた.また,Campbell WCは足の研究に詳しく,dropfootの治療法を発表していた.こういった人達が整形外科の発展に大きな力を捧げていた.また,Orthopaedic Boardも組織されて研究を促進した.Gillらは研究に熱情を傾けると共に,若い医師の教育の重要性を考えてレジデントの訓練の計画もしたので,近代整形外科の発展に努力した功績は大きいと思う.
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