Japanese
English
綜説 脳血管障害
脳卒中の疫学
Epidemiology of Cerebrovascular Disease
広田 安夫
1
Yasuo Hirota
1
1九州歯科大学内科学
1Internal Medicine, Kyushu Dental College
pp.1241-1251
発行日 1971年11月1日
Published Date 1971/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202990
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はじめに
疫学(Epidemiology)の起源を求めれば,ヒポクラテスの時代にまでさかのぼると云われる1)が,従来,いわゆる伝染病を対象としてその意義が認められて来たことは周知の所である。最近は次第に非伝染性,慢性疾患に疫学的研究が行なわれるようになつた。それは本来の字義即ちEpiはon或はupon,demioはpeopleで,民衆をおおうものの学問2)という意味に添つたものである。
疫学の最も意義ある目的は,現在予防し得ない疾患に対する防禦手段の基礎となる,因果関係についての知識を得ることである3)と云われていて,疫学者は病気の原因を明らかにしようと試みている。それ故,疫学は個々の患者を対象とする臨床医学の基礎医学に似た意味で,健康人を対象とした予防医学の基礎医学と理解することができる。
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