プログレス
脳卒中の疫学
嶋本 喬
1
,
小町 喜男
1
1筑波大学社会医学系
pp.125
発行日 1982年2月15日
Published Date 1982/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102579
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わが国の脳卒中の発生要因の特質は,近年の疫学研究の結果,ようやく明らかにされてきた.すなわち,従来から記述疫学的に指摘されてきたわが国の在来の生活環境―食塩の過剰摂取と動物性食品の摂取不足を特徴とする食生活,過重な肉体労働,寒冷と暖房の不備など―に,その発生要因がひそんでいることが,近年の多変量解析を用いた分析疫学的な手法1),病理学的検討2,3),SHRを用いた動物実験による検討1)などから確認されつつある.そして,低タンパク,低脂肪の食餌が,食塩の過剰摂取と相まって,高血圧の進展を促し,脳卒中へと発展するそのメカニズムへと研究は進展しつつある1,4).
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