書評
—高橋 良・宮本 忠雄・宮坂 松衛 編集—幻覚の基礎と臨床
臺 弘
1
1東京大学
pp.831
発行日 1971年7月1日
Published Date 1971/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202938
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本書は,東京医歯大神経精神医学教室の同窓の方々によつて,同教室の島崎敏樹名誉教授の退官を記念して発刊されたものである。分裂病の精神病理学を一生の仕事としておられる島崎教授に捧げられた本にふさわしく,幻覚に関連する評論を含めて三部に分れ,37人の専門家による分担執筆である。
幻覚は妄想とならんで精神医学の最も古い課題の一つであり,本書もその半ばを精神病理学的な論文にあてている。幻覚はまた各種の脳疾患や中毒,身体疾患にも出現し,医学的にも重要な興味深い課題であつて,本書の他の半分は幻覚研究の身体病理学的展望と器質的疾患(てんかん,脳腫瘍,脳幹性障害)の幻覚の記述にあてられている。
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