焦点 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチをめぐって
宮坂論文の査読結果とコメント
濱口 恵子
1
,
グレッグ 美鈴
2
,
宮坂 友美
3,4
1癌研究会有明病院
2岐阜県立看護大学看護研究センター
3医療法人社団ナグモ会ナグモクリニック東京
4有限責任中間法人日本医療コーディネーター協会
pp.383-389
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100027
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【査読結果】大変興味深く読ませていただきました。がん患者は大幅に増えると予測されるなか,在院期間は短くなり,がん治療・がん看護は今まさに外来にシフトしつつあり,今後その傾向に拍車がかかるものと思われます。しかし現状は,外来看護師の数の規定がないなどといった外来診療・ケアシステムが十分に整備されていないところに,治療しながら外来に通うクライアントが増えているというのが実際のところでしょう。ですから,医療従事者が優先順位をつけて現実的に対処可能なところから対応していこうとする時に,自覚症状のない方のニーズはどうしても見過ごされがちになっているものと思われます。しかしこの方たちは,潜在的な患者となりうる存在であり,いつ再発するかという不安を抱きながら生活し,再発した場合にはいかに早期発見するかという意識を常に持ちながら生活をしている人たちであることを,本研究は明らかにしています。医療従事者がこの方たちにどれだけサポートできるかという着目点はすばらしく,またここに看護の可能性が多く含まれており,非常に重要なテーマだと考えます。
以下に,研究方法論的視点,がん看護の視点から本研究を眺めた時に,改めて検討いただきたいと感じた内容を記します。必要に応じて論文を修正いただくとともに,執筆者のコメントとして別途説明いただけると,読者の方々のより深い理解を促すものになると考えます。
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